愛人/ラマン

U-Nextで「愛人/ラマン」を観た。

肉体の悪魔」同様18歳位の頃劇場で観たものを再見。

氷の微笑」と同時上映で観た、「氷の微笑」と同時上映って事は
「エロティック映画」括りで同時上映だったのだろうか・・・あまりに昔で忘れたけれど。

初見の当時は「スケベ映画」としか思っていなかったが45歳になって観たら

中々感動してしまった。

衣装が良くってまず主役の貧しい少女の服装と愛人になる無職のお金持ちの息子である中国人青年の服装が素敵。

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中国人青年の「白の三つ揃えのスーツ」はギリギリやくざっぽくなっていなくって品があるし貧しい少女の服装は華美ではないけれど、とても印象に残る。

この無職の中国人青年ってのが、父親の擁護で暮らしていて逆らえずよく知りもしない中国人女性と結婚してしまう。

船上での出会いのシーン・・・単なるナンパと言えばナンパなんだろうけれど

ちょっとした仕草にこの中国人青年の優しさや繊細さが現れていてすごく良い。

又、この作品で最もエロティックなのはsexシーンではなく知り合ってすぐの車内で

青年が手を伸ばしてくるシーン。

少女は、この青年に金銭的に援助して貰うのだから、援助交際のように見えるけれど

繊細で優しいこの青年を心の奥では愛している(と、後に気が付くシーンがある)

青年が結婚後彼女はフランスに戻る為再び船に乗るが、青年はちゃんと見送りに現れる。

演出が素晴らしくって見送りに来るんだけれど、本人の姿ではなくいつもの黒塗りの車

があってきっと彼は車の中から、見ているんだろうな・・・という演出ここがとっても良い。

無職の中国人青年を演じたレオン・カーフェイが端正で格好良く映される肉体もとっても綺麗。

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記憶の中では、ジェーン・マーチはそれ程綺麗ではなかった覚えがあったけれど再び見たら思ったよりずっと綺麗で美しかった。

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結局この中国人青年が働いて父親の擁護から抜けだせば普通に結婚できるだろうに、それは出来ないようで。

肉体のみの関係のようでありながら、ちゃんと心を通い合わせるシーン等もあり。

演出がとにかく素晴らしい。

「スケベ映画」というより「官能文芸作品」なんだろう。

45歳になって観たら、官能の部分より文芸恋愛ストーリーの部分に感銘を受けた。